(3)税法の表示のルール
法人税法は、その課税所得を『内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。』と定めるのみで、財務諸表の表示については一切触れていません。
『一般に公正妥当と認められる会計処理の基準』の適用対象も『収益の額及び前項各号に掲げる額(費用)』についてであり、法人税法は、どんな様式の決算書であっても違法とされないこととなります。
ここに、外部の利害関係者に対する経営成績と財政状態を報告伝達しなければならない商法との違いがあります。あくまでも、法人税法の目的は、各事業年度の課税所得の正確な算定であり、それも単年度ごとに把握すれば良いものであり、中期・長期にわたり、利害関係者として係わっていく債権者や投資家と立場を異にするところです。
※この連載は、鶴見・神港支部の望月さんの執筆によるものを転載させていただいています。