先日、大阪の行政書士(探偵業兼業)が、弁護士法違反容疑で逮捕されたという報道があり、神奈川インターネット同好会(kgid)でも話題となりました。
報道記事によると「容疑者は「法務探偵」の肩書で、同社から依頼者の紹介を受けて、個人的に示談交渉など様々な資格外の業務を行っていたといい、大阪弁護士会(宮崎誠会長)から同法違反容疑で告発されていた。」人物で「調べでは、2人は共謀し、信用調査業者とトラブルになった女性の依頼を受け、2003年12月、信用調査業者と損害賠償の請求交渉を行った。さらに今年1月には、印刷会社からの依頼で、印刷会社の元男性従業員の横領・背任事件に関し、元従業員側と損害賠償請求の交渉をした疑い。」で逮捕となったようです。
この問題が、善意の行政書士の間で波紋を広げているようです。
私達がこの問題を考えるときに必要なことは、「事件性」や「争訟性の有無」といったことであると思われます。
現行行政書士法1条の3によって、私達行政書士にも「代理人として契約書等を作成すること=契約代理」を業務として行うことが認められ、その部分では弁護士法との垣根が低くなりました。
しかし、私達に認められたのは、あくまで当事者間に紛争性ないことが条件であり、安定した法律関係に基づいて契約条件等を決定する交渉の範囲であると考えるべきであろうと考えています。
今回の場合、事実認定を待たなければ断定的なことはいえませんが、報道を読む限り、当事者間の利害が対立する中で、一方的に且つ責任追及的に賠償責任を追及するといった行為があったように読むことが出来る可能性があり、もし、そういうことであったとしたら「事件性・紛争性」は明らかであり、弁護士法違反を認定されても仕方のないことであると思われます。
だからこそ、私達行政書士は、紛争を未然に防止し、当事者間の信頼関係に基づく安定した法律関係を構築し、それを維持するための“予防法務”に徹した活動を展開するべきであると考えています。