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(26)情報ネットワーク組織への道②

双方向での情報交換で起こる“情報的相互作用”の束としての組織

 前回、なぜ行政書士会という組織に“無関心・非協力”が存在するのかについて書きました。
 それは、ヒエラルキー型組織のもつ情報の秘匿性にあるのだという説明をしました。つまり、組織内での情報交流が少ないために、自分の周りの人が何を考えているのか分からないという環境にあることが問題なのです。

 情報的な見方をすれば、“人”は組織を構成する並列的情報処理のプロセッサーで、周囲の“関係を持つ”人々との間で情報交換を行い、自分の情報処理を行っていく。どの人達と関係を持つか自分で選択する自由をもち、その関係の中で、自分が発信する情報が他者の発信する情報と絡み合って、全体からの情報のフィードバックとして自分に戻ってくる。そのフィードバックをもとに、さらに次の関係形成や情報処理、情報発信を行っていく。

 つまり、自律的で協力性をもち、他者から受ける刺激への反応、必ずしも自己の確信だけでは生きていけない優しさと弱さ、といったもので特徴づけられる個人が集団として情報処理を相互作用の集積として行い、その結果としての意思決定を行い、行動や学習をしていく。行政書士会がこれからの社会で必要な組織として活動していくためには、この組織内プロセスを創り出すことが必要なのです。

 少し難しい表現になってしまったかもしれませんが、要するに、これまでのように、情報を一部の執行部が握って(意識的か無意識的かは問わない。)しまうのではなく、絶えず情報を発信し、会員との間で双方向での情報交換を行い、夢と希望を持った情報相互作用を創り出す必要があるということなのです。

 そして、執行部は、その情報相互作用に方向性を与え、それを束ね、調整することによって組織としての力を創り出すためのマネジメントを担う集団でなければならないのです。

 情報相互作用に方向性を与え、それを束ねるためには、様々な組織内議論を活発に行い、外部の情報を取り入れていかなければなりません。この“議論”が情報の双方向性を生み出し、情報相互作用による共通理解と心理的共振をスパイラル的に高めていくのです。

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