この“プロフェッションになろう”のシリーズでは、最初の6回で新人の皆さんのための入門編として基本的な事柄を書き、7回から18回まで10回にわたって“新たなプロフェッションの形を考える”と言うことで、プロフェッションとしての思考方法について書いてきました。
このシリーズは、新人の皆さんだけを対象にしているものではなく、中堅の方々やベテランの方々にも是非お読みいただきたいと思って書いています。
それは、これまでも説明してきたように、工業化社会が終焉し、情報化社会という新たな社会システムへの移行によって生まれてくる新たな『価値観』とそれに基づく『文化』の中で、私たち行政書士のあり方も大きく変わっていくので、それに対応していくためには、新人もベテランもなく、“新たなプロフェッションの形”を創出していく必要に迫られていると考えられるからなのです。
そういう意味では、ベテランも中堅も、新人もすべての行政書士が同じスタートラインにいるといってもいいのかもしれません。
とはいえ、ベテランや中堅の皆さんは、それぞれに培ってきたノウハウがあり、それを活かしながら新たな方向性を持つことが必要なのですが、そのためには、戦略を持つことが重要です。
新人の場合は、ノウハウの蓄積はないのですが、逆に新たな形のプロフェッションとして一から戦略を構築することが可能なので、ノウハウのないことは当然には“ハンデ”にならないのです。
そこで、今回からシリーズのタイトルを“近未来を予測し、戦略を持とう”ということにして、私たち行政書士の業務が、近未来の情報化社会の中でどのように変わっていくのかを考察し、そこで求められる行政書士のあり方を予測して、戦略を構築するための努力をしてみたいと思います。
「先を読め、そこから戦略思考が始まる。」
「その先に戦陣を築け、そこから戦略行動が始まる。」
これは、「戦略思考」と「戦略行動」の要諦を簡潔且つ明確に述べたものです。