前3回にわたってヒエラルキー・ソリューション→マーケット・ソリューションそしてコミュニティ・ソリューションについて書いてきました。
私が、この基本となる考え方を学ぶ必要を重視するのは、“ソリューション”とは、問題解決手法のことであり、今後行政書士の新たな業務形態として、コンサルタント的要素が求められることとなり、依頼者(国民・市民)に対してベストソリューションを提示することが求められると考えるからなのです。
前回、新たな社会システムの中で行政書士は、コミュニティ指向の第Ⅳ象限に入ると書きました。つまり、行政書士としては、コミュニティ・ソリューションを駆使して問題解決策を模索していくことがベストソリューションを見いだすことにつながる。ということなのです。
そして、コミュニティ・ソリューションのエンジンとして考えられているのが、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という考え方なのです。
これまで、通常に「資本」と言えば“人・物・金”と考えられてきました。
これに対して、社会学者のジェームズ・コールマンが、「人々の間の信頼関係」「人々の間に共有されている規範」「人々の間を取り結ぶネットワーク」を資本という概念で捉える“ソーシャル・キャピタル”を提唱したのです。
つまり、「人と人との関係性」という従来では捉えがたい不可視的なものが、経済的またはその他の目に見えるメリットを生む源であると考え、人と人との関係性のパターンにソーシャルキャピタルを賦与して、社会的なものと経済的なものとを明示的に結びつけて考えるツールとしたのです。
ソーシャル・キャピタルを資源化するための基本となるものが、人々の間の“信用と信頼”の相互編集作業なのです。