前回話したような“挨拶状”などで自分の存在を知ってもらう努力をしていると“問い合わせ”や“相談”が来るようになってくるわけだけど、そのときが、はじめの“勝負所”なんだ。
前にも書いたように、依頼をしてくれる人たちは、君が新人であろうがなかろうがそんなこととは関係なく“プロ”だからという前提で業務を依頼してくれるんだ。ということをしっかり考えよう。
例え、それが君の身内の紹介であっても、前職での知り合いであったとしてもその前提は変わらないのだという認識を持って欲しいと思うのですよ。
依頼が来たら、その業務に自信がない限り、その場での即答はなるべく避けて、一夜漬けでもいいからその業務に関する専門書をしっかり読んだ上で依頼者に対応することがベターなんだ。
つまり、依頼者は、行政書士を専門家として捉えて全面的な信頼をしてくれているわけで、その信頼に応えなければならないという責務が私達行政書士の側にはあるのだということ。それが“専門家責任”なんだ。
だからこそ、“専門家”として落ち度のないようにするために、依頼者の要求を現実にするために必要な基本的な情報・知識をあらかじめもって対応する必要があるわけだよね。
もし、これを軽視して、自分の勝手な考え方で依頼者に対応し、あとで、それが間違っていた場合、依頼者に不測の損害を与えてしまう可能性があり、それを賠償しなければならないことになったらどうするのかをいつも考えていなければならないのが専門職業人なんだ。
専門家が、依頼者の信頼を裏切って行動した場合、素人である依頼者との間には、その専門性(知識・情報)において大きな力の差があるので、依頼者が自分の権利を確保することが困難になるであろうと一般的に考えられているので、“専門家責任”を重く捉えて行動する必要があるということを是非、理解して欲しいと思うのです。
といっても、何も萎縮する必要はないわけで、きちんと業務内容を把握して、堂々と依頼者に説明をしてもらいたいと思うのです。
私達行政書士が業務をしていく上で一番大事なこと。それは“依頼者からの信頼”を得るということなのです。