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mail magazine Ozeki-Letter 2005.10. 7【第117号】
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行政書士の小関です。
早いもので、もう10月です。なんだかとっとと時間が過ぎていくので、忙しさにかまけているとあっという間に時間がたってしまいます。
今週は、久しぶりに月曜から金曜まで書士会、日行連の会務スケジュールがないので、事務所で溜まった仕事と文書管理システムの管理者としての仕事に勤しんでいます。が、来週は、連休明けの火曜日が書士会総務部会、水曜日が書士会情報化推進グループの「会務システム検収作業」、木曜日が日行連「規制改革・民間開放推進委員会」ということで、事務所にいられるのが金曜日の一日だけです。今月、来月のスケジュールがどんどん埋まっていきます(汗)。
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【情報・知識】
~「構造改革」と行政書士~
-経済・社会政策のゆくえ-
「構造改革なくして景気回復なし。」を標榜して始められた改革は、行政改革、大幅な規制改革、官業の民間開放をはじめ、社会の様々な分野で進められようとしています。そのことは、私行政書士にとっても大きな影響を生ずるもので、いやでも関心を持たざるを得ません。そこで、この「構造改革」の中身を正確に理解し、戦略的に対応していくために読者の皆さんとともに考えてみたいと思います。
1.今日の経済・社会政策の潮流
今日の経済・社会政策の潮流を理解するために、まずは、現在起きている事象をとらえるのではなく、今進められている「改革」の理念を理解する必要があると考えますので、しばらくお付き合いを頂きたいと思います。
今政府が進めている「改革」は、竹中平蔵氏を中心とする“新古典派経済学”者が提言してきたもので、それを経済財政諮問会議が“骨太の方針”としてまとめ、「工程表」を示して具体的なスケジュールに基づいて進められています。
従って、“新古典派経済学”とは何かを理解しなければなりません。
19世紀の資本主義、ことにイギリスでは、いわゆる“剥き出しの資本主義”といわれ、貧富の格差、労働者への過酷な搾取、公害など多くの問題を惹き起こし、何よりも激しい景気変動にさらされました。1929年には世界大恐慌が起き、慢性的大量失業の発生が重大な政治課題となり、自由放任主義に立つ資本主義的市場経済は行き詰まり破綻しました。
ここから新たな経済学として登場したのがJ.M.ケインズを始祖とするケインズ経済学派で、「政府が企業活動を規制し、総需要を調節することにより、景気変動を押さえ、労働政策や福祉政策を進めよう」という“完全雇用政策”の提言でした。そして、大きな政府、福祉国家、ケインズ的経済政策という組み合わせが戦後の先進国の流れとなってきました。
しかし、1970年代にはいるとこの組み合わせが徐々にうまく行かなくなり、オイルショックによって不況時に政府支出を増やしても景気が良くならず、物価だけが上がるというスタグフレーションということが起こりました。これにケインズ経済学派のエコノミストや政策担当者が有効に対応できずにいるなかで、ケインズ経済学批判派として華々しく台頭してきたのが新古典派経済学であり、それを理論的裏付けとした“新保守主義”(ネオ・コン)という勢力であるとされています。
この新古典派は、政府支出を抑えて物価を沈静化するとし、企業活動に関わる規制を撤廃するとともに法人税を減税することによって労働意欲を高め、スタグフレーションを脱すると主張し、同時に福祉を切り捨て、労働条件などを切り下げる“改革”を進めた。とされています。
(つづく)
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