Ozeki - Letter

第105号

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【会と制度を考える】        ④
~行政書士会の組織論~
◎『凝集性』とは
前回、魅力ある組織にするためには、マネジメントが不可欠であるというようなことを書きました。
行政書士会という組織は、一般の会員から総会の場で選ばれた会長、副会長、理事という役員によって構成される執行組織によって運営されています。
そして、その運営は、会則や会則施行規則、各種の規則によって定められたルールに基づいて進められなければなりません。しかし、これらのルールに基づいて粛々と会務をこなしているだけでは世の中の動きから取り残されてしまいます。従って、世の中の動きを見ながらその時々の方向性を見定め、目標を決めて成果を上げていかなければならないのです。
執行組織が達成するべき目標を定め、それを効率的にやり遂げるためには、メンバーが互いに好意を持ち合い、信頼関係を醸成していくことが求められます。この“互いが互いを引き合う程度”のことを『凝集性』(ぎょうしゅうせい)といいます。
『凝集性』とは、集団の中にいる人たちが、互いに魅力を感じている程度です。この程度が高いほど、仲間意識が強くなり、一致団結して行動するようになります。従って、よい仕事が出来るようになり、モラールが高くなるとされています。しかし、凝集性が高くなりすぎると逆に、仲間を決まりで縛り付けるようになり、異論を唱えたり、反対意見を言いにくくするといった弊害が起こるようになります。この凝集性のバランスを常に気にしながらマネジメントをしていく必要があります。
行政書士は、一人一人が経営者であるので、信念を持った人が多いと思われ、それだけにこの凝集性とは反りが合わない人も当然に出てきます。そのときに重要な鍵となるのが情報の共有であり、共通理解の拡大なのです。
リーダーは、この共通理解を拡げながら、どのようにして一致団結して活動をまとめるか、しかし、他方で、どのように個々人の主体的ともいえる意図関心を大切にするかという二つの、必ずしも両立するとは限らない関係を上手に舵取り出来なければなりません。
(つづく)
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