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【会と制度を考える】 連載③
~行政書士会の組織論~
◎マネジメントの必要性
今、組織に求められるマネジメントとは、目標を立て、組織化し、計画し、統制し、動機付けをし、評価をするということであり、別の言い方をすれば、「方向を示し、土壌を整え、承認すること」ということになります。
これまでの工業化社会では、組織を何よりも上下の階層関係(ヒエラルキー)と捉えてその中で上司が部下に命令をすることが組織マネジメントの中心であると考えられてきましたが、情報化社会では、もはや上意下達的なマネジメントでは組織は成果を上げることが出来ないという考え方が現代の組織論では一般的になりつつあります。
一人(行政書士個々)では出来ないことが出来るようになる。というのが組織の魅力です。たとえば、行政や立法段階での制度設計に意見を述べ、自分たちが国民の権利擁護に資するための様々な具体的な提案をして具現化するなどと言った個人の能力を遙かに超える仕事が出来る。さらには、役割分担をすることによって、新たなサービスを提供したり、新たな行政書士の市場を開拓することが出来るなどであろうと考えられます。
これらのことを達成できる魅力ある組織は、集まった人々が互いに協力し合い、仲間意識を持っていなければなりません。しかし、組織というのはそうそううまくいくものとは限りません。組織になじめない人がいたり、人々の団結を乱す者が現れたり、組織の意思決定に故意に従わない者が出てきたりします。つまり、集まった人々が協力して、何かを達成しようとすれば、そこには必ずマネジメントが必要になります。組織が機能せず、目的を達成できなかったら、それはマネジメントの失敗なのです。
(つづく)
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