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mail magazine Ozeki-Letter 2005. 6.17【第103号】
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行政書士の小関です。
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【業務情報】 Vol.3
~行政書士の司法制度参入を考える~
●ADRにおける専門性とは
ADR(裁判外紛争処理:Alternative Dispute Resolutionの略)における専門性については、小島武司中央大学教授の「ADR・仲裁法教室」という著書によれば、「当事者主導による手続運営が認められる裁判外紛争解決においては、その担当者を法律専門家に限らず事件の性質に応じ幅広い範囲から選ぶことが出来る。そこで、各専門領域のエクスパートを選ぶことで、専門・技術的な事件を適切に判断することの出来る体制を整えることがより容易である。」(P12)としています。
つまり、ここで求められる専門性とは、法律の専門性ではなく、より技術的な専門性であるといえます。
例えば、土地家屋調査士に認められた「境界紛争ADR」や社会保険労務士に与えられた「労使紛争ADR」など、あるいは、建設紛争審査会の仲裁委員が法律(有識者)委員と技術専門委員によって構成されていることなどがそのことを表しています。
そのように見ていくと行政書士としての「ADRに必要な専門性」をどこに見いだすのかは、極めて難しいものがあります。もちろん、行政書士個々人を見れば、極めて高度な技術的スキルを持っている方も中にはいるのかもしれません。しかし、行政書士という制度を概観し、行政書士法第1条の2を読む限り、土地家屋調査士や社会保険労務士のような固有のコアな技術的専門性を見いだすことは出来ないのが現実なのです。
一部の行政書士が熱心に取り組んでいる「交通事故問題」には技術的専門性に踏み込んだものが見受けられるとは思いますが、残念ながら行政書士全体の専門性として認識されるようなものではないと思われます。
(続く)