【今週の一言】 2/22(火)の『てんめい尽語』から
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【なぜ、選挙なのか?】
今日付けの日刊建設通信新聞の一面に日本建設業団体連合会(日建連)の常任理事会で現平島会長の退任が承認され、後任会長の推薦が全会一致で承認されたという記事があります。この記事を読みながら、士業団体とはいえ、同様に業界団体である行政書士会ではなぜ選挙という手法を取っているのだろうかという問題に思いを馳せました。
いわゆる業界団体というものは、業界の利益や適正な制度運営を確保するために存在するものであり、そこには、イデオロギー的な、もしくは政治的な対立などは存在しないはずなのです。確かに、組織の運営や諸課題に対する対応の仕方、あるいは、その思考の方向性などに違いがあることは否めない事実なのですが、基本的には、自らの経営の安定的な発展を確保するために業界を守り、制度を維持、発展させていきたいという思いは同じはずなのです。
選挙という手法は、一見民主的なように見えますが、単一の組織の中では、往々にして単純な権力欲や名誉欲の満足のために利用されるというリスクを生じる危険性があります。また、その弊害として、選挙功労人事が横行し、組織内の人的資源の有効な活用が阻害される結果を招き、組織の衰退を招来することにもなりかねません。
さらに、選挙という手法を取ることによって派閥を生み、選挙によって新たな執行部が生まれるごとに組織としての継続性が失われてしまう可能性も否定できず、そのことで対外的信用も損なわれる事態もこれまでになかったとは言えないと思います。
組織内の民主的風土が成熟し、意識レベルが高い組織であれば、選挙によってそれぞれの候補者の政策を吟味し、選択するという意味において選挙という手法も有効に作用することが考えられます。ただし、そのためには、徹底した情報開示と説明責任が全うされていなければなりません。
会という組織の執行部が成果を上げ続けて、制度の維持・発展を確実なものにしていくためには、明確なビジョンと理念に基づく継続性が担保されていなければなりません。そのための会長というリーダーの選出方法は、今の組織レベルに照らしてどのような手法によることがよりベターなのかを真剣に考えなければならないと思うのです。
今、時代が大きく変化している中で、会と制度が新たな社会システムの中での有用性を確立し、将来に向かって維持・発展していくための礎を築かなければならないという環境にあります。今、なにより重要なことは、行政書士制度を守ろうとする意志を持った人々が、小異を捨てて大同団結し、会の中の人材・資源・頭脳を結集して変化に対応できる執行組織を構築することだと考えています。
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【Ozeki-Letter】 2005.2.25【第91号】
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