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【業務実践講座】
IT時代の法務知識④
~電子申請で予想されるトラブル~
今回は、これから始まるオンラインでの電子申請における問題点を考えてみたいと思います。
行政手続法上、申請はその到達と共に効果が生じ、審査が開始されるか、補正が求められ、或いは拒否がされることとなります(行政手続法第7条)。従って、オンライン申請の場合には、主に申請の到達の有無がまず問題となります。
そして、たとえ到達が確認されたとしても、データを読むためのアプリケーションの互換性や文字化けなどのバグによって内容が判読できないような場合、その原因が申請者側にあるのか受付側にあるのかといった問題も争点になりうる可能性があります。
第2の問題として、申請自体が到達しているにもかかわらず、申請者が企図したとおりの効果を生じない、或いは覚えのない行政手続が進められるといったケースも想定されています。
このような紛争の要因として、大きく分けると次の3つが考えられています。
○申請者の故意または過失により誤ったデータを送信したケース
○受付側が故意または過失によって申請データとは違ったデータで手続を進めてしまったケース
○第三者が本人になりすまして申請手続を進めたケース
このうち特に問題となるのが、申請者と受付側のどちらに過失があるのかが争われるようなケースです。
考えられるのは、証明書の発行を申請するような場合、行政側のサーバーに対するアクセス集中により、申請者が何度かリトライ(再アクセス)を繰り返し、結果としてそのうちの複数回のアクセスによって受付が完了してしまい、手数料も完了回数分だけ請求されたような場合、申請者側の確認ミス(申請者側の過失)となるのか、或いは受付側の処理能力に不備があった(受付側の過失)ことが原因なのかが争点となることが予想されています。
(つづく)
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