【今週の一言】 12/14(火)の『てんめい尽語』から
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【日本版LLC?】
最近話題になっている法制審議会商法部会の会社法改正要綱案の中にでてくる「合同会社」という新しい概念がどうも理解できずにいたところ、経済産業省が出している「人的資産を活用する新しい組織形態に関する提案」という文書を入手して読んでみました。
法制審が言っている「合同会社」というのは、これまでの日本の会社法制度にはなかった人的有限責任会社というもので、「所有と経営の一致」した人的組織と言うことのようです。我が国では、これまで「所有と経営の分離」を前提とする株式会社・有限会社が一般的で、「有限責任の人的法人制度」は用意されていなかったので、既成概念にとらわれているとかなり違和感を感じてしまう議論ではあります。
この「有限責任の人的法人制度」というのは、米国におけるLLC(Limited Liability Company)や英国のLLP、フランスの単純株式資本会社、ドイツの有限合資会社などがあるそうで、法制審は、主に米国のLLCをお手本に日本版LLCを「合同会社」という概念で導入すると言うことのようです。
この議論は、単に会社制度の問題と言うことではなく、今の時代における資本の概念が「物的資産」(工業化社会における生産ライン、工場など)から情報化社会・脳化社会における情報・知識、創意工夫などの付加価値を生み出す「人的資産」に変わりつつあるということを示しているととらえることができます。まさにドラッカーのいう「知識労働の生産性」を高めることによって豊かさを生み出す時代になってきたと言うことなのかもしれません。
この法制審の提案が来年の通常国会でどのような商法改正案として提案され、議論が展開されるのかを注意深く見ていかなければならないと思うのですが、さらに、このLLCについての理解を深めると共に新たに資本の概念として台頭しつつあるソーシャルキャピタル(社会関係資本)という考え方についても一層の理解を深めていかなければならないと考えています。
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【Ozeki-Letter】 2004.12.17【第81号】
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