【予防法務研究】 ケース・スタディ(5-1)
~相隣関係~
今回は、意外とトラブルになりやすい隣近所の問題です。
Aさんは、去年道路拡幅のために自分の土地を3分の1ほど市に譲渡しました。住居の大半が譲渡した土地に建っていたため解体して残った土地にアパート兼住居を建築中です。ところが、隣のBさんのところは、半分近くが道路用地となってしまい、残ったところに住宅を建て直すことになったのですが、なんと、敷地ぎりぎりのところに基礎を作り始めたのだそうです。
それに気付いたAさんは、あわててBさんに「敷地境界から50cm以上離して欲しい。」申し入れたのですが、Bさんは、「建築確認もとってあり、すでに着工してしまったのだし、うちも土地が狭くなってしまったので分かって欲しい。」と取り合ってくれないそうです。
ということで、途方に暮れたAさんが相談にやってきました。
Aさんは、Bさんとは長年お隣さんで、これからもおつき合いをしなければならないので、何とか穏便に解決したいそうです。が、なかなか難しそうです。
皆さんならどう対処し、解決に導けるでしょうか。是非、考えてみて下さい。
=参考=
民法は「建物を建てる場合には境界から50センチ以上離して建てなければならない」と定めています(234条1項)。この50センチは、建物の土台または建物の固定的な突出部分(壁面から出ている部分、柱・出窓など)と境界線との最短距離を基準にして計測します。
一方、建築基準法は、防火地域または準防火地域にある建物でその外壁が耐火構造であれば境界線に接して建てることができると定めています(65条)。
私なりの回答は、次次回39号です。
(つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)
【言葉の解説】
~ユビキタス~
【ubiquitous】
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生活や社会の至る所にコンピュータが存在し、コンピュ
ータ同士が自律的に連携して動作することにより、人間
の生活を強力にバックアップする情報環境。
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1989年にXerox社のパロアルト研究所が提唱した概念であるが、携帯電話などを中心とした小型情報端末の進化に代表されるコンピュータの小型化や、インターネットの爆発的な普及などの通信技術の発展・浸透に伴って、再び注目が集まりつつある
ユビキタスコンピューティングにおいては、コンピュータはその存在を意識させることなく、必要に応じてネットワークに蓄積された個人情報などを参照しながら、自動的に他のコンピュータと連携して処理を行なう。
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