【プロフェッションになろう】 創造編
~行政書士業務の戦略的予測(4)~
前回、「だからこそ、私たちが新たな社会システムの中で生き残るための戦略的思考とそれに基づくビジョンが不可避的に重要なのです。」と書きました。
では、私たち行政書士はどのようなビジョンをもてば生き残っていけるのでしょう。
それは、とりもなおさず、『新たなスキーム(枠組み)』を構築するビジョン。つまりは、行政書士制度の中で新たなビジネスモデルを創造し、そこでの市場を確実に獲得するためのビジョンであるということが出来ます。
それは、“過去の成功体験からの決別”を意味します。
過去の“代書(もしくは、それに付帯した業務)”という市場で成功した成功体験に基づく記憶があまりに強いため、新しい市場においても過去の手法がそのまま通用すると思ってこだわり続け、競争に敗れるというジレンマから脱出し、ゼロ思考で新たなパラダイムを創造する編集作業が必要なのです。
「建設業や宅建などのおいしい業務は、ベテランの先輩行政書士が握ってしまっているのにどうやって仕事をとればよいのか。」という声(愚痴?)を最近よく耳にします。しかし、そこで考えて欲しいのです。
従来型の業務の市場は、規制緩和、行政の電子化、手続の簡素化によってこれからどんどん縮小していくのです。すなわち“過去の成功体験が、未来の失敗要因になる。”と、いうことをです。
そういう意味で、今、行政書士がおかれている現状は、新たな社会システムに向けて新人もベテランもなく同じスタートラインに着こうとしているといっても過言ではないと考えています。
このことは、これまでに何遍か書いてきましたが、2004年にむけてますますそのことが顕著になってくると思われます。
さて、そこで、次回からは新たなビジネスモデルとは何かについて書いてみたいと思います。
「ビジネスモデル」といっても、決して口で言うほどたやすいものではありませんし、確実に経済効果を生ずるものでなければなりません。それは、現実社会において国民に対して有用な、または利益を提供できる新たなシステムを我々が発案(発明)して構築していかなければならないのです。
そのためには、ネットワーク化された“組織”がどうしても必要であり、だからこそ、我々のコミュニティである行政書士会を重視しなければならないのです。
(つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)
【言葉の解説】
~ビジネスモデル特許~
【business method patent】
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ビジネスの仕組みを特許化したもの。事業として何を行
ない、どこで収益を上げるのかという「儲けを生み出す
具体的な仕組み」自体を内容とする特許。
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英語では「business method patent」と呼び、「business model patent」とは言わないが、日本に最初に紹介されたときに「ビジネスモデル特許」という用語が使われたことから、現在でもこの言い方が定着している。具体例としてはamazon.com社の「1-clickオーダー」などがあげられる。
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