【プロフェッションになろう】
~行政書士業務の戦略的予測(1)~
前回、“予測をすることから戦略思考が始まる”と書きました。
そこで、これまでの書類作成中心の業務が近未来の情報化社会への移行の中でどう変わっていくのかについて考えてみたいと思います。
(共通認識事項)
我々行政書士の近未来の業務のあり方について考える上での基本となる事項を列記してみます。
・情報化社会の進展を決定づける2005年度の「電子政府」の出現に向かってあらゆるシステムが変化をしている。
・行政手続オンライン化三法、政府認証基盤の整備、公的個人認証システムの稼働などによって電子申請システムが拡大していく。
・従来の「書類作成業務」の延長線上に「電子申請」があるという考え方で、「電子代理人」としての地位を獲得しようという戦略は成り立たず、業務形態そのものが変化をするという認識が必要。
・『電子申請』は、単に行政手続の電子化にとどまらず、電子申請によって培われる価値観(文化)を理解しなければならない。インターネット精神文化の特徴は、『中抜き』にあり、『電子申請のみを目的とした電子代理人』は、存在できない。たとえ存在が可能になったとしても、短期間で終わることが予測される。
・2002年7月施行の改正行政書士法1条の3に基づく「契約代理」規定の活用によるビジネスモデルの創出を目指さなければならない。
・司法制度改革の目指す『事後処理・事後救済社会』の中で、『予防法務』の担い手としての地位を獲得し、法務・経営コンサルタントとしての分野を開発しなければならない。
ここで理解して欲しいことは、情報化社会への移行ということが、単なる社会システムの電子化にとどまらず、新たな“価値観”を生み出し、その価値観(行動規範)に基づく“文化”が想像されるということなのです。
次回以降、これまでの主な行政書士業務についてその変化を考察していきたいと思います。
(つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)
【言葉の解説】
~ブリッジ認証局~
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ブリッジ認証局は、府省認証局と民間認証局等との間の
信頼関係(以下「相互認証」といいます。)を仲介するこ
とにより、府省認証局と民間認証局とが個別に相互認証
することの煩雑さを解消します。また、府省認証局が発
行する処分権者の公開鍵証明書(以下「官職証明書」と
いいます。)及びその失効情報を一元的に提供すること
により、申請者は、当該公開鍵証明書の有効性の検証を
効率的に行うことができます。さらに、ブリッジ認証局
は、民間認証局等が発行する申請者の公開鍵証明書(以
下「申請者証明書」といいます。)の有効性検証機能を
各府省に対して提供することにより、政府認証基盤全体
の効率的な構築・運用を可能なものとしています。
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行政書士の資格認証を行う目的で作られた“日行連認証局”は、アメリカのベリサイン社のシステムを採用したため、このブリッジ認証局としての相互認証が出来ず、頓挫してしまいましたが、現在は、日本商工会議所認証局を日行連公認認証局として使用する契約を締結する方向で調整が図られているようです。
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