Ozeki - Letter

第10号

Ozeki-Letter

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【プロフェッションになろう】(10)

~新たなプロフェッションの形を考えよう(4)~

前回、会計の知識を持つ必要のあることを書きました。

なぜ「会計」なのか。と言う疑問を持たれる人もいると思いますが、これからの社会は、ディスクローズに対するアカウンタビリティ(説明責任)が求められるのです。この言葉のアカウントは数字であり、経営にとっては会計によって説明する責任と言うことになるのです。

これまで、日本の会計は、商法会計を機軸としながらも、実体的には、複雑な税法体系に対応するために「税務会計」が主流となってきました。

そのために、会計は“節税、省税対策のためにある。”という概念が先行してしまい、本来の“経営情報を提供する”という目的からはほど遠い状況になっています。

会計を司るとされている専門家として公認会計士と税理士が一般的になっていますが、公認会計士は“企業監査”の専門家であり、税理士は“税務”の専門家であって、企業会計の専門家とはいえないのが実態なのです。

行政書士は、業許可の根拠法令による“業会計”が商法の企業会計原則に基づいているので、中小零細企業のための本来の意味での企業会計を司ることのできる専門家であると言っても良いのです。

現実に、私の経験でも建設業会計を理解している税理士は皆無ですし、建設業の原価計算実務を理解している会計士はごく少数であると思われます。他の業会計についても同様です。

この点では、福岡で行政書士として『法務会計』を提唱し、実践されている橋本康扶氏のHPは大変に参考になります。

http://www.hashm.gr.jp/index.htm
(つづく)

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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(8)

~保証人を頼まれたらどーする?~

実際に企業経営に関わり、社長ら経営者との信頼関係を確立して企業法務コンサルタントして活動をしていくと、必ず出てくるのが、取引先から「保証人を引き受けて欲しい」という依頼を受けたという相談です。

特に私たちに相談をされるケースは、依頼元である取引先との取引状況や経営者同士の人間関係の濃さなどから、相談者自身では断れないという前提で考えなければならない場合がほとんどなので、慎重な対応が求められます。

現状のようなデフレ不況下の経済情勢の下で「保証人を引き受けるということ」には、相当の覚悟が必要になります。

なぜなら、人的担保としての保証には「単純保証」と「連帯保証」があり、通常の場合は「連帯保証」を求められるので、弁済請求のレベルは債務者と同等であるという理解が必要だからです。

通常、単純保証に認められている「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」という2つの抗弁権が連帯保証には認められていないので、債権者は、債務者、保証人のどちらにでも、とりやすい方に請求できることになります。

従って、どうしても引き受けざるを得ないのであれば、自社が背負えるリスクの範囲を見極め、最悪の事態を避けるための手だてを講じておかなければなりません。(代位弁済をした場合の求償権の保全措置など)

また、同時に、保証を依頼している取引先が、外部に人的担保を求めなければならないほど「信用リスク」が高まっているという見方も出来るので、その兆しがないかどうかを見極める必要もあります。

人情を優先させるあまり、安直に保証人を引き受けてしまうと、融資先によっては、勝手に「根保証」(次回説明します)にされてしまう場合もあるようなので、充分な注意が必要です。
(つづく)

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