Ozeki - Letter

第7号

Ozeki-Letter

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【プロフェッションになろう】(7)

~新たなプロフェッションの形を考えよう(1)~

これまで、専門職業人(プロフェッション)としての基本的な心構え、理念的な話を書いてきましたよね。

これからは、具体的に業務への取り組み方や研修のあり方、自己の能力を高めるためには何をするべきなのかを考えてみたいと考えているので、がんばって読み続けて欲しいと思います。

だけど、今の時代ってのは、予見不能な“クライシス”の時代に突入をしているので、これまでのやり方を踏襲しているだけでは、どうにもならないのです。

だから、みんなでイマジネーション力を高めて新しい行政書士のあり方を模索しながら筆を進めていこうと思うのです。

だからといって、これまで先輩行政書士たちが築き上げてきたノウハウを無視をしてもいいというわけではない。そのノウハウを生かしながらも新たな方向付けをすることが必要になってきている。ってことなんだ。解りますよね。

あと2年後、2005年には公的個人認証が定着を始め、電子政府が動き出し、それに伴って、今とは違う新たな価値観で動き始める社会が出現してくるのです。

そのことは、もはや既定の事実として受け入れなければならないところまで来ていることは、先日(7/2)発表された“e-japan戦略Ⅱ”をみても明らかなのだ。と、言うことを是非理解してもらいたいと思うのです。

こういうことを書くと、難しいことが始まったと思うかもしれないけれど、この話は、今という時代には避けて通れないので、分かり易く、なるべく平易に書いていくことを心がけていくようにしたいと思います。よろしくおつき合いのほどを。。。

さて、これまでは、安定した事務所経営を確立するためには、有効期間の定めがあり、変更届が必要になる建設業許可や、運送事業許可、風俗営業許可関連といった業許可、あるいは、低報酬ではあるけれども数をこなせる車庫証明や自動車登録業務などがメイン業務となってきたのだが、これら、量的分野ともいえる市場は、これからの社会では縮小を余儀なくされると思われるのです。

新人の皆さんは、これらの許認可手続き業務の市場はすでにベテラン・中堅会員によって独占されているので、参入の余地がない。と考えているようなのだけれど、さにあらず。なのです。

許認可申請窓口の手引きだけを頼りにしているいわゆる“手引き業務”は、それだけでは事務所経営が成り立たない状況になっていくので、そこを切り口にした規制業種へのマネジメントコンサルテーションの分野の開拓が必要になる。その能力・実力を身につけることができれば、十分に固定的なクライアントを獲得し、事務所経営の安定を勝ち取ることができるのです。

努力次第で、道は必ず開けるという夢と確信を持って欲しい!
(つづく)

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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(5)

~マネジメントを踏まえた予防法務研究~

これまで、企業法務の基本中の基本である“クレーム処理”について書いてきました。これからは、企業経営のマネジメント全体の基本をふまえた『予防法務研究』に踏み込んでいきたいと思います。

従来の企業経営は、他人資本(借入など)に依存した形で行われてきました。しかし、近年の不良債権処理という名目での『信用リスク検査』や企業会計基準の見直しなどによってキャッシュフローが重視されるようになっていることは衆目の一致するところとなっています。

キャッシュフロー経営とは、現金を常に管理し、売掛などの債権回収を早く行い、債務の履行をなるべく遅らせることによって自社の資金で効率的な経営を実現しようという考え方です。

従って、ここで重要になるのは、いかに早く債権回収を図るかということであり、取引契約の適正化や督促手続き(内容証明による請求や支払督促手続による強制回収)などの予防法務が密接に関連してきます。

長期化する不況とデフレ環境の中で不良債権・焦げ付き債権の顕在化が目立っています。このような環境の下では、通常取引から生じた債権を不良債権化させない戦略的対応が必要となります。

売掛金が約定通りに支払われない場合には、直ちに相手方の支払期日や支払い方法の特定を文書で提出させるなど何らかの債権保全措置をとり、さらにその保全措置が功を奏さない場合には、内容証明文書による請求をした上で、『支払督促手続』に入ります。

『支払督促』とは、売掛金、貸金、立替金、賃金などを相手方が任意に支払わない場合に、申立人の申し立てだけに基づいて裁判所が行う略式の法的手続き(民事訴訟法382)で、平成8年の民訴法改正以前は『支払命令』と呼ばれていました。

支払督促手続は、売掛金や貸金など一定の金銭などの支払いを請求する「金銭債権」を対象とするもので、確定判決と同様に強制執行ができる“債務名義”となるものですが、債務者がこれに応ずれば早くて便利な回収法です。

ただし、債務者が異議を申し立てると通常裁判に移行してしまうことになり、それまでの手続が無駄になるという欠点がありますので注意が必要です。
(つづく)

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