小関ブログ

2009年仕事始め

今日から2009年の仕事始めです。

今日の小田原は曇り。日差しがない分寒く感じます。

元旦に、「今年は、混迷から混乱の年」と書きましたが、昨日の麻生総理と小沢民主党代表の年頭記者会見は、それを彷彿とさせるものでした。

しかし、麻生首相がいきなり書き初めで「安心」と書いたときに、“安”の字がいきなりウ冠ではなく鍋ぶたに見えたのは私だけでしょうか?

新年に入ってから様々な討論番組を見ましたが、多くの識者が“グローバル資本主義、新自由主義経済の失敗”について語っていました。が、しかし、元々一国経済を基盤として発達してきた経済学にグローバル化し、世界中を自由に闊歩するグローバル資本主義を制御する処方箋はなく、新たな経済理論を構築する以外に道はなさそうに感じました。

問題は、新たな経済理論がないまま、市場原理に基づく新自由主義思想が金融工学なる学問を生み出し、彼らが主張する小さな政府・規制緩和によってそれまであったセーフティネットは大部分が破壊され、何らの新たなセーフティネットが用意されないまま金融資本主義という新たな形の資本主義がインターネットを介してグローバル市場を拡大し、一握りの人間がこれまでには考えられなかったような所得を得ることによってあらゆる格差が急激に広がり、結果、各国の中流階級が貧困層に吸収されてしまい、消費活力を奪ったことによって不況を引き起こしているという理解が多数派を形成しつつあるようです。

グローバル化した企業は、それまでの地域的存在から利益を得るために安い労働力を求めて自由に拠点を替える形態に変化したことによって社会的責任(CSR)をとることなく、利益追求に突っ走り、「労働の流動化」を看板にして賃金をコストに変えて労働そのものの価値観を大きく変えてしまいました。

昨日知った話しでは、非正規社員といわれる派遣労働者は、企業の中で「人事部門」ではなく「調達部門」が管理しているそうで、まさに“人”ではなく“物”として扱われている実態が紹介されていましたが、本当にひどい世の中になったものだとつくづく感じさせられました。

もはやアメリカの覇権主義が行き詰まり、ドルが基軸通貨としての価値を失いつつあることは明白で、アメリカ主導の市場原理主義はグローバル資本主義という怪物化した経済を制御することができない今、人類の英知を絞って怪物に立ち向かい規制を加えて制御可能な状態に戻さない限り、地球が“猿の惑星”になるのは時間の問題になってしまうような気がしています。

年の初めから不吉なことばかり書いているようですが、これから起こるであろう“混乱”は我々の生活を直撃することがかなりの確率で予測されているので、そのことをきちんと認識し、危機感を持って対応していかなければならないという思いが募る今日この頃なのです。

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