小関ブログ

行政書士の相談活動の一場面から

今日は、梅雨空ながら雲の切れ間から日差しがあります。
今朝は、一番で「相談者」が見えられました。相談者は、若い夫婦で、奥さんは妊娠中。相談の内容は、「今年になって入居したアパートの水道水がさびで濁る」ので、大屋さんと交渉しているが、どうしたらよいのかわからないので相談にのって欲しい。と、言うものでした。
実際、ペットボトルにその濁った水を入れて持参をしてきましたが、とても生活水としては使用できないものでした。これまでの交渉経過を詳細に書いたものと契約書も見せてもらいましたが、現段階では、争いになるものではなく、逆に、争うことは相談者にとって決して良い結果にはならないと判断をし、その方向で話をさせていただきました。
当然、相談者の気持ちや望んでいることを実現するためにどうしたらよいかを前提とするわけですが、我々に相談に来るときには、「内容証明を書いて欲しい」とかの直接的な要望を口にするのが一般的です。しかし、内容証明による請求或いは、通告は、通常「争う」ことを前提にするわけで、それなりの覚悟とコスト意識が必要なことはいうまでもありません。


私たち行政書士が、この手の相談を受ける場合、相談者にとって争いとすることが本当に問題解決策として必要なのか、或いは、争いを未然に防止し、相手方(この場合の家主)と相談者の双方にとって一番良い方法は何かを考えて提案をすることが求められます。
今回の相談内容は、生活水の問題であり、家主もそれなりの対応をしようとしており、これを解決するには行政を巻き込んで、費用を出したくない家主を説得し、配管内のさびを除去するための修繕を行う必要があるので、まずは、市役所の生活環境課或いは、保健所に相談をし、大家さんに対して修繕義務を履行するようしかるべき行政指導を行ってもらうことを提案し、相談者に勧めて相談を終えました。
今、社会全体が司法制度改革・規制緩和の中で、事前規制社会(=安心社会)から事後救済社会(=信頼社会)へ移行している中で、この様な相談が必然的に増えていくものと考えられます。その中で、行政書士は、“予防法務”の専門家として、無為に争うことなく適切に問題解決に導けるよう努めなければならないと思うのです。

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