今日も曇です。昨日は北関東で荒れた天気になったようですが、今日は南関東でも一時的な豪雨や雹がふりそうです。
昨日TVを見ていたら、今日から始まる宮崎県議会で東国原知事が打ち出している入札制度改革について議論がされるであろうことを先取りして、地元建設業協会の元役員や建設業者を引っ張り出して「建設業者がつぶれてしまう」といわせて、知事に「建設業者をつぶすのか」という質問を取材記者が浴びせていました。
一体マスコミは何を考えてこういう報道をしているのでしょう?
これまで、“公共工事ダメダメミーム”を発信し続け、長野県であったように建設業者やそれを擁護しようとする政治家をバッシングしてきたマスコミが、今度は一転して、今では当たり前になりつつある入札制度改革である指名競争を制限付き一般競争入札に変えようとしているだけの宮崎県知事を批判し、その改革に反発する建設業者を擁護するようなニュース編集をしていることに怒りすら覚えます(憤)。
そもそもの入札制度改革は、ケインズ型の“配分の論理”が竹中平蔵氏らの新古典資本主義者によって排除され、中央から地方へお金を配分する公共工事というシステムそのものが破壊されたことによって競争原理が急激に導入され、各自治体の財政難を背景に低価格入札を志向するもので、宮崎県に限ったものではなく、全国で起きている問題なのです。
マスコミがこの様な扱い方をすることによって、この入札制度改革の本質から国民の目をそらせ、単に東国原人気に対して“出る釘は打つ”式のバッシングでしかないように写ります。なぜ、全国で起きている日本社会の問題として報道されないのでしょう。
特に、前知事が官製談合事件に絡んで逮捕、辞職している宮崎県にとって入札制度改革は避けて通れない問題であろうし、その中でも、指名競争入札から制限付き一般競争入札への移行にとどめていることは、詳細な情報を持っていないので、あまり無責任なことも言えませんが、地元のまじめな建設業者の経営を擁護し、雇用を確保することに相当程度気遣いをしているように見て取れるような気がしています。
敢えて誤解を恐れずにいうならば、私は今大きな流れとなっている入札・契約制度改革を決して良いと思っていません。むしろ、日本の国土や災害時のこと、さらには、本当に必要な社会資本整備を適正に進めることを考えるならば建設業界が閉塞していく“価格競争のみの一般競争入札”ではない方法を考えるべきであると思っています。
私が言いたいのは、マスコミの報道姿勢で、単に興味本位であったり、物事の本質を誤った方向で整理をすることで、物事の本質から目をそらせ、国民の理解を誤らせることは犯罪にも等しい行為であるとさえ思えるのです。