小関ブログ

行政書士会組織を考える。(3)

今日は朝方は日差しがありましたが、今は曇です。午後は雨になるようです。
今日は、またぞろ行政書士会の組織論を考えてみたいと思います。
20世紀型の組織と21世紀型の組織の違いは前回(5月28日)に書きました。要約すれば階層型(ヒエラルキー)の上意下達の組織が20世紀型で、有機的で必要に応じてグループが出来、個人中心の組織が21世型という理解でよいような気がしています。
前回紹介した桃知さんの意見。個(個人)と種(組織・中景)の関係について考えてみなければなりません。この場合、個は行政書士個人で、種は行政書士会ということになります。
「個は種のミームの中で育ち、種はまた、個の変化によって変化する」は、大変重要で、ミーム(meme)とは、「文化因子」というもので、遺伝子が人体情報を承継して人間を形成し、ミームがシニフィアン(ラカンのいう「言語」)によって脳内情報を承継する(日本人が日本語をしゃべり、その生活文化を承継する)ということという理解なのですが、この場合の理解は、「行政書士(個)は、行政書士会(類)の中で承継され蓄積された情報によって育ち、行政書士会(類)は、行政書士(個)の変化によって変化する。」ということになります。
何だ、そんなことは当たり前だろうと思われるかもしれませんが、ここで重要なのは、行政書士会の中で承継され蓄積された情報(ミーム)とは何かということです。ここをおろそかにすると方向性が大きくぶれることになります。


この話を詰めていくと、「そもそも行政書士とは何か」というそもそも論に関する議論が必要になります。
それは、組織としての理念(フィロソフィー)、哲学を持つということであり、それなしに組織を考えても何もならならないという理解です。
まぁ、あまり難しく考える必要はないとは思うのですが、「行政書士としてのミームとは何か」を考えるときにその歴史を考察することが重要です。現在では、明治5年の司法職務定制による「代書人」を起源とする考え方が通説のようになっていますが、私は、明治30年代に各地の条例によって出来た「代書人取締規則」が行政書士の前身である「行政代書人」の最初の法制であり、それ以前は、市井の有識者が識字率のまだ低い時代に地域の文盲の人々にボランティアとして代書・代筆のサービスを提供していたのだと考えています。
行政書士の起源に関する詳細な検討はここでは避けますが、行政書士の制度としてのミームは官がつくったものではなく、市民のニーズから生まれた有識者の中のボランティア活動にあると思っています。このことは、「代書人取締規則」も「現行行政書士法」も各地の条例が先にあり、それが国民のニーズによって国の制度となったという理解です。

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