今日は、穏やかな快晴状態です。気温もさほど低くないので、徒歩通勤でうっすら汗をかきました。
一昨日、このブログの読者で新潟の行政書士さんから“素朴な疑問”についてお尋ねがありました。そこで、少しその話題について書いてみたいと思います。
お尋ねは、
>ここ2,3年の間に強制会から任意会になるという話は本当でしょうか?
というものでした。この問題は今年に入って改組された内閣府の規制改革会議の前身である「規制改革・民間開放推進会議」の中で重点項目として取り上げられていた資格士業団体の「強制加入制度の見直し」についての議論に関するもので、私の答は・・・
>そういうことになる可能性は0とは言えませんが、おそらくそういうことにはならないと思いますよ。
>現在、日弁連、日司連、調査士会連合会、日税連、公認会計士協会や日行連など強制入会制度を取
>っているすべての団体が、廃止を強硬に反対していますし、行政側もそれぞれの士業者団体の強制
>入会制度を守る立場を崩していません。
>規制緩和論者は、強制入会制度が参入障壁になっていると主張していますが、それほどの論理性が
>あるとは思えません。
と、書きました。
今回出された「規制改革会議の重点検討課題について」(平成19 年2月23日・規制改革会議 議長 草刈隆郎)という資料の中では、
○資格者の質の向上等に向けた取組の推進
情報開示や資格者団体のガバナンスの在り方、新司法試験制度の今後の方向性について検討 等
という書き方に変わっていますが、やはり「強制加入制度の在り方」についての議論は引き続き検討課題となっているものと思われます。従って、決して楽観はできないものと考えています。
しかし、このところのいきすぎた規制緩和による社会的な歪みが顕著になってきている中で、議論の方向性が少しずつ変わってきていることも事実だと思われます。資格者団体の強制加入制度は、国民にとって有用である法的サービスを提供しているそれぞれの資格制度を守り、社会正義を実現していく上で不可欠なものであることは、強制加入制度をもたない建築士等の資格者による「耐震偽造問題」などを未然に防止する観点からも明らかであると考えています。
もちろん、強制加入制度を維持し制度的発展をしていくためには、組織内民主主義を徹底し、組織情報の開示や業務情報の速やかな伝達、専門家としての能力向上のための研修制度の拡充。さらには団体自治の確立による不良・不適格会員の排除、指導・監督など、今後、それぞれの士業者団体における様々な検討課題があることも事実です。
士業者団体の会員、特に会務執行に従事している人々がこのことをきちんと理解し、21世紀における強制加入制度の下での士業者団体の在り方を真摯に検討しながら、国民の理解を得る努力をしていくことが求められているのだと思います。