小関ブログ

強制入会制度について

今朝も曇。関東は秋雨前線が居座ってなかなか天気が回復しないようです。
先月末に行われた日行連規制改革・民間解放推進(対策)委員会で、政府の規制改革・民間解放推進会議の事務局から再要望書の提出を求められ、その内容を検討し、近くヒアリングがあるかもしれないということで、それに対応するために政府推進会議の議事録や資料をダウンロードして読み返したり、強制入会制度に関する情報をネットで調べたりしています。
士業・資格制度の見直しは、政府推進会議の基本ルールWGで議論がされています。その担当は推進会議副議長でもある鈴木主査という人で、政府臨調の時代から士業改革に並々ならぬ熱意を燃やしているという話をよく聴きます。今、そこでの議論で我々にもっとも関係のあるのが、多くの士業団体が制度として確立している「強制入会制度」の見直しということになっています。
この議論の視点は、6月15日の第3回推進会議の議事録によると

これらの士業においては、資格者団体に加入しなければ業務を行うことが出来ないことになっているものが多いのですが、これが資格者間の業務の連携等を阻害し、私の表現によりますと、資格者間で壁を作って、その壁と壁との接点でフリクション(軋轢、摩擦)を起こすということです。もう少し国民が専門職に対して相談するときの自由さを与えることによって、国民の利便に寄与すべきではないのかというのが視点です。(鈴木氏発言)

一般の国民が聴くとふむふむと言ってしまいそうな発言ですが、決定的に脱落しているのは、各資格者間の連携、ワンストップサービスの提供を実現していくためには、それぞれの資格制度が確立した独立性をもっていることが必要で、それを担保しているのが組織という存在だという視点です。
ここで、詳細に論じるわけにはいきませんが、昨日のネット検索で、立命館法科大学院教授の安本典夫氏の書いた「強制入会制団体の内部民主主義及び対外的アカウンタビリティのあり方」という論文を発見しました。この問題を考える上で非常に参考になる内容です。
氏は、「公共性ある専門職能の団体は、専門職能倫理を確立・徹底し、かつ会員の技術の向上を図るための自律団体であり、そのことによって業務の公共性を全うすることを任務とするといえる。部分社会をマネージメントすることによって、社会管理機能の一端を担う」(P2)と位置付け、「そもそも、依頼者との個人的な関係になるこの種の業務について、国・地方公共団体がその監視の目でカバーするのは困難でもあり、非効率でもある。他方、業務内容に個別性があり、また専門的な内容であるため、市場原理のみで淘汰・選別することによって適正化が図られるものでもない。こう考えると、自主的規律がひときわ重要であると言えよう。そして、業務の適正化、資質の向上が自主的規律に依拠することから、自主的規律をすべき団体の重要性が出てくる。」と指摘しています。
私たち行政書士にとって、強制入会制度は、行政書士制度維持の根幹であり、きわめて重要な問題であると認識しています。戦略をもって、将来に向かって誤りのないよう取り組まなければならないと考えています。

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