今日の小田原は曇り。暑さもそれほどではありません。
昨日の高校野球決勝戦の再試合は、早稲田実業が辛くも4対3で逃げ切り、優勝でした。駒沢苫小牧もよくやったと思います。立派でした。
試合後、ニュース映像で観た早実の斉藤投手と駒大田中投手の笑顔のツーショットにはちょっと感動しました。
昨日書いた県議団の予算要望ヒアリングの続きで、建設紛争審査会の件で、建設産業歴史研究会での流通経済大学山口康夫教授の「建設請負契約に関する法解釈の変遷」という研究発表(講義)録を思い出して読み返してみました。
この講義で、教授は、民法635条という請負契約で一番問題になっている規定の意味を話され、
「請負契約は基本的に民法の規定を受ける。請負契約といいますと代表的業種は、建設と運送なのですが、最近新しいのはコンピュータソフトの作成です。ただ伝統的には建設と運送が主要な問題となっています。それで、運送については商法で別に規定しているのですが、建設に関しては民法以外に基本的なルールはありません。ですから、基本的に裁判所に行けばこの規定に照らして判断されると言うことが原則となります。ところが、建設請負契約というのは、一面では「仕事の完成」を目的とする契約ですが、建設工事という非常に特殊な仕事の完成を目的とする契約概念なので、-(中略)-法律上の形式の上からも、民法の請負契約というのはその成立、報酬の支払い、完成引き渡し後の請負人の責任、契約の終了を定めるだけで、建設請負契約・設計・施工・完成・引き渡しなどの諸側面の基準としては非常に不十分です。このため、建設業法が制定されて第三章に「建設工事の請負契約」が規定され、これに基づいて建設工事標準契約約款や各種の約款が作成されています。ところが、建設業法というのは、行政法規、行政取締法規というように性格づけられているので、民事上の請負契約の効力を問題にする場合に、建設業法をストレートにもってくると、裁判所は、なかなかといいますか、殆ど認めないという立場になっています。
と言われています。そこで、建設業法で官製ADR(裁判外紛争処理)としての建設紛争審査会が出来たわけだと思われるのです。ところが、これまで、審査会の法律委員としては、弁護士と学識経験者とすることが慣例化してしまい、どちらかというと建設業法よりも民法で解決をしようとする傾向が強かったように思われますし、そのため、建設業界や法律関係者の間でも紛争審査会の存在が周知されずに来たように思われます。そういう意味でも建設業法を日常的に使い、熟知している行政書士が紛争審査会に関与することは重要な意義があると確信しています。