小関ブログ

日行連17年度基本方針について

昨日の雨は上がり、今朝は曇り。道路も乾き始めています。しかし、今夜からまた雨か雪が降るとの予報です。
今週行われた日行連農林建設部会において、日行連の「平成17年度事業計画基本方針(案)」という文書をいただいたので、目を通しているのですが、まず言えることは、「理念・哲学」を読みとることが出来ないので、今後制度をどうしていきたいのかがよくわからない文章です。
従って、戦略的思考はなく、ただただ現在現れている事象にのみ対応しているという危うさを感じざるを得ないという印象を持ちます。つまり、すべてが後追いであり、語尾が、「方向性を示せるように致したい。」「確立をはかる。」「調整して進める。」「徹底をはかる。」「推進をして参りたい。」という願望、あるいは抽象的な表現にとどまっています。
今、制度にとって必要なことは、願望や抽象論ではなく、明確な理念に基づくビジョンであり、それは、情報化社会という新たな社会システムの中での有用性を発揮し、新たな市場を開拓していくためのものでなくてはならないと思うのです。
日行連は、司法制度改革にこだわり、ADR代理人(紛争当事者の代理人)としての地位の獲得を最優先課題として取り組んでいくとしていますが、ADRそのものが個々の行政書士にとっての市場性があるのかどうか極めて疑わしいものがありますし、これまで“事件性、紛争性”のない分野で活動をしてきた行政書士が紛争当事者の代理人として有効な活動が出来るのかについても議論を要すると思うのです。
おしなべて、「時代の流れに取り残されてはならない。」という危機感が強く出ている基本方針ではありますが、そうであるならば、行政書士の強みはどこにあるのかをよく検討し、そこに資源を集中し、「新たな基準となるべき分野」を切り開いていいかなければならないと思うのです。
それにしても不思議なのは、折角、15年改正で入った「契約書等の書類を代理人として作成すること」(=契約代理を含む)という新たな業務に関する真摯な議論が起きないのはなぜなのでしょう。これまで弁護士の独占業務であった「契約代理」業務の分野を行政書士の業務として確立し、事後救済社会の中での「予防法務の担い手」としての地位を確立することこそ「新たな基準となるべき分野」なのではないでしょうか。
さらには、司法制度への参入を標榜するのであれば、これまで行政書士制度の中に蓄積された経験則・ノウハウを発展させて、行政不服審査の代理や、戸籍・身分制度から派生する家事審判等の非訟事件の代理業務への道を拓くことが重要であると考えます。
ところで、息子殿もこのサイトでblogを書くということで「康游抄」(こうゆうしょう)という日経新聞のコラムの名称をもじった名前を付けたページを創りました。不定期ということなので、たまには読んでみてください。(このページの右側の下の方にロゴがあります。)

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