今日は、曇り時々雨という予報なのですが、時折日が差しています。
一昨日、買い物ついでに書店に行き、目についた本を2冊買ってきました。
タイトルは、2冊とも「借りたカネは返すな!」で、初版本が「企業再生屋の書いた“借りたカネは返すな!”」で、第2弾が「実録借りたカネは返すな!―一発逆転の敗者復活編”」ということで、1冊目は、八木宏之という“起業再生屋”と加治将一という作家の共著で、2冊目は、八木宏之と神山典士(作家)の共著です。
“借りたカネは返すな!”。。。何ともすごいタイトルなのですが、中身は、かなり説得力のある実務書で、まだ1冊目も読み終えていないのですが、これまで、何社もの破産、倒産に関わってきた私にはうなずけるものが結構あります。
世の中に“破産を勧める”本は、数多ありますが、これは、さしずめ“自主整理、自立再生を勧める”数少ない本だといえるのかもしれません。
タイトルだけを見るとかなり乱暴なことをいっているように感じるのですが、実際に読むとかなり実務的で、必要なことはきちんといっているので、読み進むほどに説得されていくような気になります。たとえば、「“返済しない”ことから銀行との交渉が始まる」という小見出しで始まる項では、
雲行きが怪しくなって、返済がつらくなったとき、まず最初にやるべきことは何でしょうか?
簡単です。それは、お金を借りている金融機関の担当者に、現在の状況を説明しに行くことです。
−中略−
「不景気で収入が減ってしまった」とか、「予定していた入金が延びてしまったので、来月分の返済が出来るかどうか微妙になった」など、とにかく今の窮状を伝えることが、何より重要なのです。
と書いて、担当者にサインを送った上で、返済を止め、条件変更の交渉にはいることを勧めています。もちろん、私にも同様の経験があり、返済条件の変更交渉をスムーズに進めるには、根気よく担当者に現状を説明し、今後の再建計画を相談しながら作成して行くことが重要であることはよくわかります。
これまで、破産に向けて経営者の背中を押すこともありましたが、その前に、何かやることがあるのではないか。借金さえ軽くなれば、なくなれば再生できるとしたら他の道もあるのではないかなどという思いがあり、なかなか釈然としなかったのですが、この本に出会い、“目から鱗”の気分を味わっています。
この2冊をなるべく早く読破し、自分の中にきちんと論理を構築した上で、当事務所のクライアント会社である建設企業の自主再生のお手伝いをして、実績を積み、“建設企業再生屋”と呼ばれるようになっていきたいと思った次第です。