小関ブログ

“請け負け”の極み?

今日は、朝方雨が少し降りましたが、今は曇りです。
今日付けの建設通信新聞の一面に、「妥当性欠く費用請求」という大見出しで、以前にデッキ(橋)の崩落事故のあった朱鷺メッセで、新潟県が同じ設計の別のデッキ補修工事を巡ってその費用を施工業者の瑕疵担保責任として請求している事の理不尽さを指摘する記事が掲載されています。
この件に関して事故調査委員会はその報告書で「施工は特段の問題は発生しておらず、ジャッキダウンも順調に行われている」として、“施工上の瑕疵”はなかったとしているので、問題は、施工業者ではなく、設計上の構造計算ミスによる耐力不足なのではないかと思われます。
にもかかわらず、同報告書の「速やかに補強を実施する必要がある。」との結論を受けた県は、「施工者に対して民法634条の瑕疵担保責任を問うことを決め、今年2月に文書で正式に修補を請求した。」とあります。
設計施工分離発注の公共工事において、施工上の瑕疵ではなく、設計耐力不足を主因とする落下事故を受けた他のデッキの補強工事の費用について「瑕疵担保責任」を問うための法的根拠は成立するのでしょうか。きわめて大きな疑義が残ります。もし、こんな事がまかり通るのであれば、設計仕様書に基づいて瑕疵のないきちんとした施工をしても設計上の瑕疵によって生じた不具合の補修・補強を強制されることになってしまいます。まさに絵に描いたような“請け負け”です。
今、公共工事入札・契約制度の中で、請負契約の片務性が問題となっています。この朱鷺メッセの補強費用の負担を巡る問題が契機となって、その片務性が少しでも是正されていくことを期待したいものです。そのためには、施工業者が泣き寝入りすることなく声を上げて争うことが必要です。全国の公共発注者と建設業者が注目しているので、是非頑張っていただきたいと思うのです。
ところで、このサイトへの8,000アクセスが近づいています(もういってしまったかもしれない。)。しかし、私が気がつくのが遅く告知をしておりませんでしたので、この際、100,000アクセスまで繰り越したいと思います。そのときには奮発したいと思いますので、乞うご期待です。

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